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24 間違えやすい敬語

-気づかずに使ってはいませんか?-

チェックポイント

①敬語のミスにはパターンがある

②よくある「二重敬語」と「身内敬語」

③「アルバイト言葉」は軽く見られる

新人時代ならミスも許されるけど・・・

 社会人になると日常的に敬語を使用するため、初めは戸惑うことも多いでしょう。「きちんと礼儀正しく話さなくちゃ・・・・・・」というプレッシャーから、不自然な敬語になってしまうケースも珍しくありません。

 敬語の使い方に多少の問題があっても、対面では紫雲品気持ちがこもっていれば、敬う気持ちは伝わります。どんなに気持ちは会っても、電話や手紙、メールなどでは正しい敬語を使わなければ、伝わるものも伝わりません。相手に不快感を与えない、社会人言葉を身につけましょう。

▶若い人に特有の「アルバイト言葉」

 コンビニなどのレジでお金を渡したとき、「1000円からお預かりします」、「以上でよろしかったでしょうか」といった言い回しを四組ミニします。いずれも若い店員さんに多い印象です。

 これらの表現は、言葉としても敬語としてもNGです。あまりに使っている人が多いため、受け入れられる場面もありますが、仕事中は使わないようにしましょう。

▶起こりやすい敬語のミス

●二重敬語

 1つの言葉には1つの敬語が原則。2つ以上が重なると使いすぎです。敬語はスッキリ、シンプルに使いましょう。

 ✕お見えになられる→○お見えになる、いらっしゃる

 ✕ご参加される→○ご参加になる、参加される

 すでに敬語が使われているのに、さらに「お」をつけて、二重敬語になるケースもあります。この間違いは、言葉自体が変わる尊敬表現に、「お」をつけたり、「れる」「られる」をつけてしまうケースによく見られます。

 たとえば、以下の2つの例文は、「召し上がる」「おっしゃる」だけで、尊敬語として成立しています。そこに「お」や「られる」をつけてしまったので、二重敬語になっています。

 ✕ランチをお召し上がりになった→○ランチを召し上がった

 ✕先生がおっしゃられていました→○先生がおっしゃっていました

 似たようなパターンに、次のようなものもあります。こちらは「する」の尊敬語「なさる」に「れる」をつけることで、二重敬語になっています。

 ✕店長は外出なされていた→○店長は外出なさっていた

●尊敬語と謙譲語を間違える

 敬語のミスには、尊敬語と謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱを間違えるパターンもよくあります。尊敬を表したい相手に謙譲語を使ったり、自分に尊敬語を使って生舞う間違いをおかしがちです。

 たとえば、上司や社外の人やお客様には、尊敬語である「なさいます」「いらっしゃいます」などを用います。謙譲語の「いたします」「ございます」を使うのは間違いとなります。

 お客様に対して

 ✕ヤマダ様はどちらにいたしますか→○ヤマダ様はどちらになさいますか

 お客様の名前を確認するとき

 ✕ヤマダ様でございますね→○ヤマダ様でいらっしゃいますね

 また、コーヒーなどの物に対して、尊敬語は使いません。にもかかわらず、「いらっしゃいますね」などを使ってしまう人もいます。

 ✕ヤマダ様はコーヒーでいらっしゃいますね→ヤマダ様はコーヒーでございますね。

●身内敬語

 社内の人に大してなのか、社外の人に対して七日によって、敬語の使い方は異なります。あなたにとって上司は目上であり、普段は迷わず敬語を使うべき存在です。しかし、そこにお客様など、社外の人が同席している場合、話は別です。社外の人に対してはたとえ上司であっても、尊敬語は使いません。敬語は、々人を刺す場合でも、誰に対して使うかによって、使う言葉が変化します。

 社外の人の前で、上司に敬語を使わないことを上司に対して失礼だと思うことは不要です。

 同僚に話すとき

 「サトウ部長は、10時にいらっしゃいます」

 ↓

 お客様と話すとき

 「部長のサトウは、10時に参ります」

 社外に人と接する際は、役職の言い方にも気をつけましょう。「部長」や「課長」なども役職名は敬称であり、尊敬の意味を持つ敬語の一種です。社外の人に対して自社の部長を指すときは、「タナカ部長」ではなく「部長のタナカ」あるいは「タナカ」と表現します。

 また、敬称に「様」をつけると二重敬語になります。他社の部長を指すときは「サトウ部長様」ではなく「サトウ部長」「部長のサトウ様」と表現します。

お客様に自分の上司をさして

「申し訳ございません。あいにく(部長の)タナカは、席を外しております」

社外の役職者を呼ぶとき

「部長のサトウ様はいらっしゃいますでしょうか」

▶混同しやすい敬語

 挨拶などで頻繁に使われる「お世話様」は、目上の人が目下の人に向かって用いる言葉。上司や謝意の人には使いません。

 ✕お世話様です→○お世話になっております。

 同じく「ご苦労様」も、目上の人から目下の人に使用するねぎらいの言葉。「お疲れ様」なら、どちらにも使えます。

 ✕ご苦労様です→お疲れ様です

 人を知っているときは「存じ上げる」を、物や場所などを知っているときは「存じる」を用います。

 ✕御社のヤマダさまを存じています→○御社の社長のヤマダ様を存じ上げています

 ✕御社の場所を存じ上げています→御社の場所を存じています

 相手の在・不在をたずねるときは「おられますか?」はNGです。「おる」は「いる」の謙譲語ですから、「私はこちらにおります」などのように、自分側の行為に使います。

 そもそも謙譲語の「おる」に、尊敬語の助動詞「られる」をつけることが間違いです。正しくは「いる」の尊敬語「いらっしゃる」を用います。

 ✕サトウ様はおられますか?→○サトウ様はいらっしゃいますか?

▶若者特有の「アルバイト言葉」に要注意

●「~から」はNG

 この使い方は頻繁に耳にします。「から」は必要のない言葉です。広く使われているからと言って、NGであることに違いはありません。

 ✕1000円からお預かりします→○1000円お預かりします

●「~でよろしかったでしょうか」はNG

 この言い方も「~でよろしいでしょうか」というのが正解。過去形にする必要がありません。

 ✕以上でよろしかったでしょうか→○以上でよろしいでしょうか

●「~のほう」はNG

 「~のほう」は、比べる物があるときに使う言葉です。何もないのに使うのは、耳沢値なだけです。

 比べるものがないときは「ほう」をつける必要はありません。

 ✕先ほど、みなさまのほうに配布しました、カタログのほうをご覧ください→○先ほどみなさまに配布しました、カタログをご覧ください

 ✕私、タナカのほうが発表します→私、タナカが発表します

 ✕お電話番号のほうを教えていただけますでしょうか→○お電話番号を教えていただけますでしょうか

●「~になります」はNG

 「曇りから雨になります」「A会議室からB会議室に変更になります」というように、「~になります」は変化を表すときに使われる言葉です。

 ✕こちら、コーヒーになります→○こちら、コーヒーでございます

 ✕ご注文のお品になります→○ご注文のお品です

●「お名前をちょうだいできますか」「お名前をいただけますか」はNG

 名前はやり取りするものではありませんから、「頂戴できますか」「いただけますか」は使いません。とても失礼な表現ですので、注意しましょう。

 ✕お名前を頂戴できますか・お名前をいただけますか→○お名前を教えていただけますか

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