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15 言葉選びのマナー

-会話を通じて信頼は安心を得る-

チェックポイント

①プラスの言葉を選ぶ

②「上から目線」を避ける

③文法的な正しさより、相手の気持ち優先

言葉の選び方が、次の仕事につながる

 仕事をしていく上で大切なことは、いただいたご縁を次につないでいくこと。そのくり返しによって、活躍の場が広がっていきます。

 そのためには「選ぶ言葉」が重要です。好印象を持たれる人たちは、的確な言葉を選んでいます。その場にふさわしい言葉を、丁寧な言い回しをしているから、「また会いたい」「また話したい」と思われます。

 言葉の選び方が適していれば、あなた自身の評価も高まります。

▶言葉選びの2つのポイント

●プラスの言葉を選ぶ

 ネガティブな言葉を使う人は、相手の気持ちまでネガティブでマイナスにしてしまいます。相手のためにも、ポジティブな言葉を使いましょう。どちらの言葉でも値うう要する場面では、必ずポジティブでプラスな言葉を選びます。

●「上から目線」を避ける

 基本的に「上から目線」の言葉は、使いません。上司や先輩、お客様から反感を買う危険性が高まります。相手が部下や後輩であったとしても、あなたに心を開けず良い関係が築けません。

▶プラスの言葉を選ぶ

●「で」→「が・を」に変換

✕コーヒーでいいです

○コーヒーいいです

○コーヒーお願いします

 最初の「コーヒーでいいです」という返答は、「本当はほかのものが良いのだけれど、コーヒーで我慢しておこう」というニュアンスが感じられます。言われたほうはいい気がしないでしょう。

 それよりは「ほかの飲み物ではなくコーヒーが飲みたかった」と感じられるようhな話し方を選びたいものです。

 日頃から「~でいい」と口にしている人は、「~がいい」に言い換えるように注意してください。

●「は」→「も」に変換

✕今日はステキですね

○今日ステキですね

 こちらも「今日はステキですね」だと、「今日だけステキで、いつもは違う」といった受け取り方をする人が出てきます。せっかく褒められているのに、相手は素直に喜べません。

 これが「今日もステキですね」だと、「いつでもステキ」といった受け取り方になり、相手は素直に喜ぶことができます。

 このようにたった一字の違いで、印象は大きく変わるのです。

●否定表現を肯定表現に変える

✕おりません

席を外しております。

外出いたしております

✕ありません

切らしております

✕わかりません

わかりかねます

✕できません

いたしかねます

 否定的な表現は、相手の依頼だけでなく相手そのものまで、拒否している印象を与えてしまいます。必然的に話も広がりません。

 会話中は出来るだけ、肯定的な言葉に置き換えましょう。

 置き換えた言葉に「クッション言葉」を添えて、「申し訳ございません。○○はあいにく切らしております」、その後「明日には入荷予定でございますが、いかがいたしましょうか」と代替案を提示すれば、さらに印象は良くなるでしょう。

▶「上から目線」を避ける

●「お教えしましょうか」を避ける

 何かを説明するとき、気をつけなければいけない言葉に「お教えしましょうか」という表現があります。この「教える」という言葉には、上の者が下の者に対して行うというイメージがあります。言われた側は、あなたに見下されているように感じる可能性があります。このような場合は「ご説明」や「お伝え」という言葉に置き換えます。また、「よろしければご説明いたしましょうか」のように、クッション言葉を用いることも鉄則です。

●「おわかりになりますか」を避ける

 同様に「おわかりになりますか」や「ご理解いただけましたでしょうか」と言うのも、職場では避けたほうが無難です。相手の理解度を判断しているように受け取られます。

 このような場合は、相手が正しく理解できたかどうかではなく、あなたの説明が伝わったかどうかにフォーカスを向けます。

 たとえば、「ご不明な点はございませんでしょうか」「何かご質問はありますか」といった言い方です。

 言いたいことが相手に伝わっていたら、そのように答えてくれるでしょう。不十分であれば、質問が返ってくるはずです。

●「命令形」を「依頼形」「伺い形」に

✕お越しください

お越しくださいますか

お越しいただけますでしょうか

✕お待ちください

お待ちくださいますか

お待ちいただけますでしょうか

✕煙草は吸わないでください

お煙草はご遠慮いただけますでしょうか

 日本語としては「お越しください」「お待ちください」「~しないでください」といった言い回しは丁寧語となります。

 しかしながら、ビジネスシーンでは、これらの言葉は「命令形」と受け取られ、横柄で一方的な印象に繋がります。

 そこで「依頼系」「伺い形」で、相手に選択権を委ねるマナーある言い方にします。

●その他、注意するべき言い回し

✕お世話様です

お世話になっております

✕はい、いいですよ

✕はい、大丈夫です

はい、かしこまりました

 ビジネスは人間関係によって成り立っています。言葉の選び方一つで、関係が強固になることもあれば、逆に崩れる危険性もあります。

 日本語としては正しくても、それがマナーの視点からは言い変えるほうが良いケースもあります。大切なのは「相手がどう感じるか」という「相手の気持ち」です。

 相手の気持ちに寄り添い、相手の求める言葉をかける。そうした姿勢を心がければ、周囲に受け入れられる人財になれます。

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