13 話し方の心がまえ
-社会人にコミュニケーション力が求められる理由-
チェックポイント
①会話は「仕事をスムーズに進める」武器
②「わかりやすい」+「好感を持たれる」
③結論から話した上で、適した言葉を選ぶ
ビジネスシーンにおける会話の役割
職場では年齢も立場も考え方も異なる人たちが仕事をしています。
そうした人たちとトラブルを起こさず、良好な関係を築くために、マナーあるコミュニケーションを取ることが求められます。そのためにも、相手を不快にさせない話し方は必須です。この章では、あなたが伝えたいことを誤解されることなく伝えることができる話し方を学びます。
▶話し方の2つの基本
●わかりやすい
相手に何も話しているかが伝わらなければ、不要なトラブルを引き起こします。わかりやすい言葉で話すことを意識しましょう。例えば「車窓から見る景色」ではなく「車の窓から見る景色」と言った具合です。
●好感を持たれる
わかりやすさには、言葉の選び方や声の大きさ、トーンなどが関係してきます。さらに表情や態度、身だしなみで好感を持ってもらえます。
▶「わかりやすい話し方」を実践しよう!
●順番・・・・・・結論から話す
会話は話す順番によって、相手の理解度が変わります。「結論から話す」を意識するだけでも、ずっと伝わりやすくなります。
具体的には、「あなたが一番伝えたいこと」か「相手が一番知りたいこと」を、最初に伝えます。結論や概要を伝えることで、聞き手は話の目的や主題を、初めから知ることができます。「いったい何が言いたいんだ」とイライラすることもなくなるのです。さらに、結論がわかっていることで、安心して話を聞くことができます。結論をわかった状態で、家庭や裏付けを聞くことになるため、理解度が高くなります。
新聞や雑誌の見出し、インターネットニュースのタイトル、ニュース番具のアナウンサーの言葉なども、「何の話か?」「何があったのか?」を、最初に伝えています。結論を引き延ばしてしまうと、話しの要領を得ない仕事の出来ない人という印象にもなりかねません。ビジネス会話は、誤解されないわかりやすい伝え方として、結論から伝えましょう。
●言葉・・・・・・相手に伝わる言葉を
会話においては、相手によくわかる言葉を選びましょう。
たとえば、親戚の子どもと遊ぶときと、会社の上司と話すときとでは、自然と話し方が違ってくると思います。上司に対するような言葉遣いでは、子どもに伝わらないことがわかっているからです。
同じように、社内の人と社外の人とでは、言葉の選び方を変えます。専門用語や業界用語で話してしまうと、社外の人に伝わらないからです。あなたが日常的に使っている言葉ではなく、相手が日常的に使う言葉を選ぶことで、言いたいことがスムーズに伝わります。そのためにも「相手中心」になって、A家の頭の中にある言葉を探してください。
また、相手に正しく知解してもらうためには、「具体的に話す」こともポイントです。会話中に「たとえば~」とたとえ話を入れたり、過去の事例を盛り込むだけでも、具体性は増していきます。
曖昧な言葉を避けることも重要。「少し軽くなりました」「広い会場です」では、人によってイメージが異なります。あなたと相手の感覚が異なっていたら、期待通りの反応は返ってきません。
こうした場面では「500グラム軽くなりました」といった具合に、「東京ドームと同じ広さです」のように、誰もがわかるものを比べると正しく伝わります。
●声・・・・・・聞き取りやすい声と速度で
会話においては「相手にとって聞き取りやすい声」の重要です。声の大きさや明瞭さ、スピードを意識する必要があります。
声が大きすぎたり、早口過ぎたりすると、威圧されている、攻められているという印象を与えます。そんな気はないのに、「怖い人」「押しの強い人」と受け取られてしまうのです。
また、早口で話されると、聞く側はなかなか理解できません。しかも相手に威圧感を持っているので、「もう一度お願いします」と言い出せず、話も伝わりません。
自分で早口だなと思う人は、相手の話すスピードやテンポに耳をかたむけてみましょう。そして、相手に合わせてみるのです。そうすることでお互いに心地よく話せるようになります。
ほかにも、小さすぎるボソボソとした声はNG。相手は聞き取れませんし、自信が無いように思われてしまいます。声と姿勢は連動しているといわれています。下を向いて話すと、声も小さくなります。姿勢良く顔を前に向けて話すと、自然と大きな声が出て、明るい印象が強まります。
目線と声の大きさにも関連性があります。人は目線の先に声が届くように、無意識のうちに声を調整しているそうです。大きな会場で話すときは、開場の一番後ろの人に話しかける感じで話すようにすれば、全体に聞こえる声になります。
1対1で話すときは、そのほうを美菜形話すことで、ちょうど良い大きさになります。また、会話中の視線にも注意しましょう。
●表情・・・・・・会話の内容と合わせる
ニコニコしながら「申し訳ございません」、ブスッとした表情で「いらっしゃいませ」、いずれもマイナスな評価となります。
会話中は言葉と表情を、一致させることが重要です。
話し手の言葉と表情が異なる場合、人は表情からのメッセージを優先させます。「話していることと表情が違う」ということで、不信感を抱き、あなたの言葉を受け入れてもらえない可能性があります。
自分はどんな表情をしているのか――。職場で会話をするときは、そのことを意識して下さい。言葉だけで全てを伝えようとせず、表情と態度で知多得る泥区をしましょう。同じように、相手の表情を正しく読み取ることも必要です。たとえば、あなたの説明が終わったとき、相手が不安そうなお顔で「わかりました」と言っていたら、実は伝わっていないのかもしれません。そういうときは「もう一度お伝えいたしましょうか」など、相手が言いにくいことを身分から提案することで、よい関係を築いていけるでしょう。
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