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12 自己紹介のマナー

-覚えてもらうことから、関係は始まる-

チェックポイント

①「自分自身のプレゼン」と考える

②ハンバーガー型の「7つのステップ」

③「アピールポイント」をその場に合わせる

自己紹介はあなた自身のプレゼンテーション

 初対面の相手には「自己紹介」を行います。あなたの名前を覚えてもらい、人柄を知ってもらい、今後のご縁をつないでいくことが目的です。あなた自身のプレゼンテーションといってもいいでしょう。

 プレゼンテーションなのですから、相手の「この人は何者?」といった疑問や興味に、うまく答えなければいけません。その上で、好感を持って貰えたら、ベストな自己紹介となります。

▶自己紹介の3つのメリット

●自己PR

 名刺交換だけのときと比べて、あなたの名前と顔を、相手に覚えてもらえる可能性が高くなります。

●安心感を与える

 あなたの情報が伝えわれば必然的に、相手は安心感や信頼感を得られます。互いの距離も縮まっていきます。

●きっかけづくり

 多くの場合、自己紹介だけで終わらず、話が広がっていく。自己紹介が、コミュニケーションのきっかけ作りになります。

▶自己紹介には「7つのステップ」がある

 次の7つのステップを頭に入れておくと、スムーズに自己紹介ができます。快活な口調で、はっきりと伝えましょう。

●好感を持たれる自己紹介の流れ

▶理想の自己紹介はハンバーガー形?

 上記の自己紹介の「7つのステップ」は、3つのグループに分けることができます。

 まるでハンバーガーのパンと具のように、間に「アピールポイント」を挟むと、まとまりのある美しい自己紹介となります。こうした形式にすることには、2つの大きなメリットがあります。

●第1のメリットは「記憶に残りやすい」

 まず、最初と最後に名前を言うことで、自分のことを覚えて貰える確率が高くなります。

 初対面の人から名前を聞かされても、一度だけでは記憶に残りません。最後にもう一度名前をくり返すから、強く印象に残せるのです。

★自己紹介で名前を覚えてもらうには?

 この名前を繰り返す自己紹介は、わたしがアナウンサーになる訓練を受けていたときに教えてもらいました。フリーアナウンサーになってからも、オーディションのたびに活用していました。1分間ほどの自己PRで、最初と最後に名前を言うことで、より強く審査員に印象づけることができました。

●第2のメリットは「応用範囲が広い」

 次に、ハンバーガーの具に当たる「アピールポイント」を変えるだけで、どのような状況にも対応できます。

 社会人が自己紹介を求められる場所は多種多様です。職場や訪問先のほかに、勉強会や交流会、宴席なども挙げられます。全ての場面で、ゼロから自己紹介を考えていたら、疲れ果ててしまいます。この点、ハンバーガー形の自己紹介は、アピールポイントを場に合った内容にするだけでok。幅広く対応できるので便利です。

▶より印象づけるために、さらなる工夫を

 名前だけでも記憶してもらえたら、自己紹介としては充分に合格点。だからこそ、名前を印象づける工夫が必要です。名前をくり返す以外にも、次のようなテクニックも取り入れてみましょう。

●名前の漢字について説明をする

 自分の名前に使われている字の説明をする。誰もが知っている漢字でも、字が成立した由来などを話すと、印象に残りやすくなります。

●名前の由来を説明する

 ケントという名前の人なら「世界で活躍してほしいという思いから、父が、海外でも通用する『ケント』と名付けてくれました」といった具合に、名前の由来を説明する。由来と結びつくことで、より記憶に残りやすくなります。

●有名人の名前と関連づける

 芸能人に似た名前の人がいたら、「俳優の○○○さんと1字違いです」といった具合に、関連づけて名前を伝えてもいいでしょう。

●間違われやすいことをアピールする

 難しい名前の読み方をする人は、自分から「よく名前を間違われます」と言うことで、逆に印象づけられます。

★アピールポイントは、その場に合わせる

 ハンバーガー形の自己紹介は、アピールポイントの内容を変えるだけで、さまざまな場面に対応できます。

 その場に適したアピールポイントを選ぶためには、状況を正しく把握することが必要です。

・何の目的で集まっている場なのか?

・どんな人たちに話すのか?

・あなたの何を知りたいと思っているのか?

・あなたは自分の何を知ってほしいのか?

 これらの要素を頭に入れて、その場にあった内容をチョイスすることで、スマートで印象に残る自己紹介になります。

 アピールポイントを詰め込みすぎないことも重要。話を盛り込みすぎると、どれも印象に残りません。その場にふさわしく、あなたも伝えたいと思っていることだけで充分です。

★人柄をより知ってもらうために

 趣味や特技、興味を持っているものなどを、簡単なエピソードを交えながら、手短に話すと印象に残ります。

 例えば、家族の話、ペットの話、自分の性格、出身地など・・・・・・。

「特技はピアノ演奏です。5歳から習い始め、中学生のときに一度辞めたのですが、最近、大人のピアノ教室に通い始め、ジャズピアノを練習しています。ジャズのリズムが心地よく、ストレス解消にもなっています」

何を話せばいいか悩んだときは、「自分自身がその場にいる人たちに何を知りたいか?」「どんなことに興味を持ったのか?」と考えてみましょう。それを自分に置き換えれば、アピールポイントになるでしょう。

★表情や態度、話し方まで意識する

 自己紹介は第一印象を決める大切な場です。「この人の話を聞きたい」「この人のことを知りたい」と思ってもらえるように、表情、態度、姿勢、身だしなみなど、見た目を整えることも大切です。

 笑顔は安心感や信頼感、親しみやすさなどを感じさせます。姿勢のよさは健康的で堂々とした印象を与えます。

 話し方も大切な要素です。いくら素晴らしい自己紹介をしても、それが相手に聞こえなければ、意味がありません。

 それに、明るくハキハキした声や話し方からは「明るくハキハキした人」と言う印象を、ボソボソ賭した小さな声からは、「自信がなさそうで暗い人」といった印象を残します。あなたの声が聞き取りにくいことで、不快に思う人も出てくるかもしれません。

 声の大きさのポイントは、一番遠くの人に顔を向けて、話しかけるように声を出すこと。遠くの人に話しかけようとすれば、自然と姿勢もよくなり、明るい声が出て来ます。「明るく」「ハキハキと」「聞き取りやすいスピード」の3点も心がけてください。

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