02 ビジネス文書の基本とマナー
-ビジネス文書の基本や、おさえておく必要のある形式・マナーを覚えて、
正確で失礼の無い文書を作成しましょう。-
▶相手に正しく伝えるためのビジネス文書のルール
ビジネス文書では、情報を正確に伝えることが重要です。また、文書を届けて仕事が終わるのではなく、依頼・督促など相手の行動を促すことも大切になります。このため、相手の立場を考慮するマナーにかなった文書の作成を心がけましょう。
▶ビジネス文書完成させる前に確認するべきポイント
文章が完成しても、内容を確認せずに相手に届けてしまうと、間違いや勘違いを修正することができません。正しく内容を伝える文書を作成できるように、次のポイントに注意しましょう。
☑伝えるべき用件が、わかりやすく書かれているか
☑書式に基づいて文書が作成できているか
☑相手の宛名、役職を間違えていないか。敬称の間違い、抜けはないか
☑ご慈雨A脱字、数字の間違いは無いか
☑「です・ます」「だ・である」など、文章の形式が混在していないか
☑箇条書きなどで、わかりやすく書かれているか
☑内容を読み返して、確認したか
▶ビジネス文書作成の原則
●文章が「横書き」で。用紙は「A4判」で
挨拶状や案内状など、一部の社外文書を除けば、ビジネス文書は横書きで作成するのが一般的です。用紙は徳辺ルナ場合を除き、「A4判(210×297mm)」を縦長に用います。
判型を揃えるのは、整理・保存をしやすくするためです。
●1つの文書に1つの用件
複数の用件を詰め込むと、文書の目的がわかりづらい上、無駄に長くなってしまいます。文書ごとに用件を絞ります。
●なるべく1枚に収める
コピーやファイルをしやすいように、なるべく1枚に収めるのが理想です。文字フォントは10.5ポイントが標準となりますが、1枚に収めるために9ポイントに下げることもあります。詳細なデータが不掛けるなと気はデータ部分を「添付資料」として別にします。
●複数ページの場合は通し番号を
文書によってはどうしても、1枚に収まり切らないこともあります。その場合は複数枚にして、ページ右上か下部中央に「ページ番号」をつけます。
●ホチキスを綴じる位置は左上
A4縦の2枚以上の文書をホチキスで綴じる場合、左上を斜めに綴じるのが一般的です。縦書きの場合は右上を綴じることもあります。綴じたことで文書が見えなくなっている部bンがないか、違う向きで綴じられているページがないかは、必ず確認しましょう。最近は環境に配慮した「針を使わないホチキス」も販売されています。
●正式な文書は「正体」「控え」「写し」を作成する
ビジネス文書は原則的に、発信する側が「控え」を保存します。あなたが発信する場合、「正体(実際に送付する文書)」「控え(保管用)」「写し(関連部署などへ参考として通知する文書)」を作成することに鞠増す。同一の内容を文書を3部用意するのが一般的です。
▶覚えておきたい「押印」のマナー
作成した文書を上司や先輩に見せて、「押印」をいただくことがあります。押印が曲がっていたり、周辺が赤く汚れていたりすると、受け手の印象が悪くなってしまいます。押印はまっすぐに押すことがマナーです。
特に社外文書では、押印は不可欠になります。代表取りしまい役の押印のある文書を、あなたが窓口となって発信する場面も出てきます。この場合は上司などを通して、社長に印を押してもらうことになります。
●社員だけの場合
印影の偽造を防ぐために、社名の最後の1文字に陰影の中心線が来るように押印します。
●代表者印だけの場合
印影の偽造防止の他、署名が間違いないことを証明する意味で、氏名の最後の1文字に半分かかるように押します。ただし、印鑑証明書と照合する場合は、文字にかからないように押しましょう。
●社印と代表者印の場合
契約書など特に重要な文書には、社員も代表者印も押印します。社印を社名、職名、氏名の中央に、代表者印を氏名の最後の1文字に半分かかるように押しましょう。
▶「定型文」を利用する
ビジネス文書は、社外文書、社内文書ともに、大半は書式が決まっています。この定まった書式=「定型文」に沿って書くことで、作成がスムーズになる上、読み手にも伝わりやすくなります。書式や文章の大枠が統一されていることで、管理・閲覧が容易になるメリットです。過去の文書を保存しておいて、必要に応じて書き換えましょう。
▶「わかりやすい文章」に仕上げるコツ
●1つの文章を短くまとめる
1つの文章がなる値区短く、30~50字以内でまとめるようにします。1文で1つの内容だけを扱い、余計な装飾後や接続詞を多用しないようにします。
●「結論」から先に書く
読む相手が必要とする「結論」を最初に伝えます。仕事をする上で、上司への報告するときと同じスタンスです。
●「箇条書き」を活用する
内容が込み入っていたり、どうしても複数の用件を伝えなければならないときは、「箇条書き」にしてまとめます。無理に1つの文章に収めようとせず、ポイントごとに書き出していくのがよいでしょう。
たとえば、「提案は以下の3点です」と言ったことを書いてから、「・(なかぐろ)」に続けて1行に1つずつ提案を挙げていきます。1文が短くなるため、読みやすく、書く側の負担も軽減できます。
●「5W3H」を意識する
相手に伝えたい必要事項は「5W3H」を意識してまとめると、内容が具体的で伝わりやすくなります。特に「期日」「場所」「値段」などは重要な情報なので、一目でわかるようにします。
▶曖昧な表現を避ける
ビジネス文書において「多額の予算」や「少し軽い」といった愛マイン表現は避けましょう。人によって受け止め方が異なるからです。数字で表現できることは、できるだけ具体的な数字で伝えるようにします。
●受け手だけに伝わる「特別な一言」を添える
ビジネス文書で便利な定型文ですが、ときには慇懃無礼に感じられたり、無味乾燥に受け取られたりしてしまうことがあります。そこで定型文であっても、「気持ちを込めて書きました」というポイントを加えるとよいでしょう。
文中に相手の名前を入れたり、前回打ち合わせのお礼の一文を加えたりするだけでも、特別感を出すことはできます。そうした部分が1箇所でもあれば、残りは定型文でも気持ちが伝わり、受け入れられるでしょう。
●「用字」「用語」を正しく使う
文章に用いるさまざまな文字を「用字」といいます。用字を組み合わせて、言葉にしたものが「用語」です。
用字や用語の使い方がM違っていたら、内容が正しく伝わりません。
ビジネス文書では、言葉の使い方にも意識を向けましょう。誤解を生みかねない表現は避けることが大切です。用字にはひらがなやカタカナに加えて、「記号」や「符号」も含まれます。
●「区切り符号」の役割と使い方
●数字の書き方
漢数字ではなく「アラビア数字」を用いる。4桁以上の数字は「カンマ」で区切ります。ただし、年号、電話番号、書類番号などはカンマをつけません。
(例)12,345,678円
8,400本
2021年
0120-000-000
●時刻の書き方
ビジネス文書では、24時間制を用いるのが原則。字と分の間に「:(コロン)」を入れて、数字とコロンだけで書いてもOKです。
(例)9時30分(または、9:30)
17時50分(または、17:50)
●項目番号のつけ方
細目が多い場合は、次のルールに沿って数字をつけていきます。なお、項目番号に「①、②、③」などの「丸つき数字」は使いません。ただし、項目内容をさらに細分化し、箇条書きにするときには、「①、②、③」などの「丸つき数字」を使用することもあります。メールでは、文字化けなどの可能性がある機種依存文字として、これらは使用しません。
(例)Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ
1.2.3.
(1)(2)(3)
a. b. c.
(a)(b)(c)
17時50分(または、17:50)